青年海外協力隊的あるある・1年6ヶ月 アンテナ立てて国際放送を見る

ついにわが家にテレビが来た。

と、昭和調に言ってみたけど結構ね。この国の人たちは実はテレビ見てる。

よっぽどの田舎は知らんけど、町中なんかどこもかしこもアンテナ立てて、一家に一台はあるみたいですね。だから俺なんか協力隊員として住んでて、「テレビなんかぜいたく品だなあ」と思ってたけど、さすがに、テレビもないままだと、

「こちらの国の人に後れを取りすぎる」

という事態になって、1年半目にしてようやくテレビを設置したのだった。

そもそも活動先がテレビ局だけど商売道具が家にないという。すいません。

年末から年始にかけて、パラボラアンテナを2発立てる。これで4万5千フラン(日本円で1万円)。まあ高いっつうか、安いっつうか。

うちのラジオ局の一番の年配キャスターの月給が4万5千フランなので、給料ひと月分ってことになる。

そりゃ高いんだろうけど、その昔日本でうちのオヤジが月賦でビデオデッキを買ってきたときの値段が30万円だった。昭和の終わりって、そんなだった。ちょっとしたぜいたく品でも、月賦で買えた。

車も買い換えてた。

余談の余談だけど、ビデオデッキを次に買い換えたときは10万円くらいだった。その次に買い換えたときは3万円くらいじゃないかね。

そういう感じで、この国の人たちはがんがんテレビも見るし、プレステ3で(4ではない)サッカーゲームもやるし、タブレットとスマホで写真もビデオも撮るし、

よっぽど俺の方が後れをとってるよ!

ただしこちらの人は、食い物といえば毎晩とうもろこしの練ったのを食ってるし、子どもの教科書が高いって言って買えないでいるけどね。

そういうバランスのちぐはぐさがこの国にはある。

注釈しとくと、これは平均より上の家の話で、上流と下流の2極化のぐあいは、当然日本より大きいと思うけど、どちらかというと下層の方はあまり接触がなくてよく知らない。

ほんとうの食う食わないの層とは、実は協力隊員は、接触してない。(っていう仮説)と思うけど、それはいい。

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基本的にテレビは衛星で見る。

だから、いろんな国のチャンネルが入りすぎちゃって、逆に大変だ。NHKワールドも入る。

すごいね。

なんだけど、NHKのワールドニュース見てみると、アメリカの経済事情のニュースを、キャスターがものすごい巻き舌英語で、ペラペラとしゃべっている。

なんだかはるばると海を越えてNHKを見た感動がないっつうか、

嬉しくもなんともないな。

ということで、昨日の世界のトップニュースは「フランスの新聞社テロで12人死亡」ってやつだ。詳細は省く。

国際的なチャンネルの「フランス24」では、このニュースを一晩中やってる。つうか、昨日からエンドレスで今もやってる。ちなみにカメルーンの放送局とセネガルの放送局では、「海外のトピック」として後半にちょっとだけ、映像なしに伝えられていた。

たぶん日本でもそんなもんだろうね。このニュースが、どんだけ国際的なバリューがあるかの具合はわからんけど、フランス本国の人にとっては、ものすごく重要なことみたいだ。一晩あけてまたテレビをつけてみると、なんか広場にものすごい人数の群集が集まってる。

ろうそくがびっしりと灯されて、亡くなった人たちを追悼してる。

フランス人がよく使う「ソリダリテ(固い絆、連帯)」っていう言葉がなんども出てくる。

「わたしたちは固い絆で結ばれてる。」インタビューに答えるおじさんとか半分泣いてるし。

うーんと。これはね。

たぶん、フランスっていう国が、市民たち自分たちの力で「自由」を勝ち取ってきた国で、その「自由」が暴力によって脅かされる、ということに対して、国民的な総和として激しく燃え上がるものがあるんだろうと思う。

言ってしまうと簡単だったけど、けっこう今、俺わかる気がしてる。

日本では、市民が自由を勝ち取ったっていう記憶があんまないから、そういうのはない。

だけどテレビの画面を見ていて、

「日本でもなんか見たことあるな」って思った。

フランスの市民が広場に集って、亡くなった人を追悼しながら絆を確かめ合っているその姿は、「震災」や「災害」で亡くなった人に祈りをささげて、絆を確かめ合っているわれわれ日本人の姿とよく似ていた。

それが日本っていう国だ、ってことに気が付いた。昔から自然災害の多い土地柄だったので、災害の被害をいかに小さくするかということに市民全体が努力と工夫をしてきたし、被害にあった人のことを想って、涙を流してきた。

それが日本という国だ。

昔から隣と陸続きだったので、隣国にたびたび攻められたりして生活が脅かされて、その都度たたかって自由を獲得してきた。

それがフランスという国だ。

そんで、カメルーンという国だけど、どういう国なのか、いまだ分かんないんだよね。建国して50年の国だ。

この間から考えてるけど、東洋やヨーロッパの歴史のながーい国に比べて、アフリカのこのあたりの国については、「この国はこういう国である」っていうくくり方をすること自体が、

どうも違うっていう気もしてるけど。

(写真= 今日のカメルーンは「ビヤ大統領が議員と各国大使を招いて、新春握手の会」の放送見てると停電。で、まったり。 )

2015年 仏シャルリ―・エブド事件カメルーンで見る

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青年海外協力隊の体験を小学生に説明する

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コジキに会えば金をやり 会わなければ金をやらない協力隊

青年海外協力隊的あるある 1年して絶望で寝込む

*初出:2015年1月8日(木)

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