石ころ拾ってガンガン投げてくるんすけど

あれだけ降っていた雨がぴたっと降らなくなって、
セ・ラ・セゾン・セッシュ・キ・コマンス
(乾季が始まるな~)宣言が自分の中で出る。
ちょっとうれしい。

隣のガボンでは反対に雨季が始まったっていうんで、
アフリカってちょっとの差で環境がだいぶ違うんだね。

太陽に当たりたいから、今日は日なたでラジオ体操してたら
「日本でも日の当たるところでスポーツしてんのか!?」と
びっくりされる。まあ、そうですよ。
ラジオ体操すると四十肩も治るんでいいですよ。

自分は夏の季節が一番好きで、暑くて雨なんか降らない方がいい。
だけどこっちの人は、乾季を異様に恐れていて
ボークー・マラド(具合悪くなるわー)っていうんで、
はたしてんなもんかなって、ちょっと楽しみでもある。

さて、こちらに来てから4か月。
通常の会話はフランス語なんだけど、
フランス語でのコミュニケーションが難しいシーンが多い。

アテネフランセのCDテープは聞き取れるんだけど
人によっては、1割くらいしか話が分かんなくてすごく困る。

どうもこれは、「こっちの人は訛ってる」ってことなんじゃないか
ってことに気づいてきた。
編集会議なんかで、アナウンサーがしゃべるフランス語は
とても流麗で、すごく分かるんでちょっとうれしい。
だけど同僚のモゴモゴしゃべる人の言葉はほとんど聞き取れない。

これはたとえるなら、
道場剣法と、野武士の剣法の違いだ。

今まで教室っていう道場で剣法を習ってたんで
割と型通りの太刀筋がくればわかるけど、
型が崩れるとなかなか対応するのが難しい。

落語の世界では、「円生」と「志ん生」が
よく対比される。

円生の落語は流麗な言葉づかいで、うっとりするほど美しい。
志ん生の落語は、言葉はルーズだけど、ノリがよくって
爆発的に面白い。

円生は、もし志ん生と闘ったらどっちが勝つかって聞かれたときに
「道場で闘ったら自分が勝つけど、野外で闘ったら向こうが勝つでしょう」
って答えた。
おもしろい。
野外で闘ったら、別に剣で勝たなくっても、
落ちてる石を投げつけても勝てば勝ちだから。

ちなみに自分は、どっちかっていうと円生の落語の方が好き。
だから、美しい太刀筋で剣を切り結ぶのが好き。

途上国だと、カテゴリー的には圧倒的に「野外」になるんで、
相手はその辺の石ころを拾ってガンガン投げてくる。
剣で闘うんじゃないの!?
ってところが難しいところだ。

道場っていう狭い世界がイヤになって放浪の旅に出たわたくしですが、
今さらになって道場剣法が恋しくなるってのも
ちょっとおかしな話ですよね。

まあ深くは悩まないようにしてるんだけど、
ああ、これが異文化理解ってことなんじゃないかと。


(写真=隣村の「130歳」の長老といっしょに。いやあお若いですねー、
どう見ても80歳くらいです。って実際80歳くらいだろ。)

*初出:2013年10月26日(日)(カメルーン滞在117日目)

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