クリスマスを脳内補正する

いやあ、ぜんぜんクリスマスっていう気がしない任地です。

町の屋台で、おもちゃのパトカーとか
作りのざくっとした人形とかが売っていて、
鼻をたらしたガキがおもちゃ欲しくて
じーっと凝視しているのを見るのはなんとも微笑ましいんだけど、
まあ、普段とちがうのはそんくらいですか。

ということで休みの今日は、
朝から小説の「クリスマスキャロル」を思い出してみる。
ものすごくざくっとしたストーリーを
思い出しながらなぞってみたけど、なんか泣いちゃった。
これ、いい話だわー。

特にスクルージが子どものころに貧乏だったとか、恋人に
フラれたとか、そんなところでぐっと来た。
たぶん、若干ストーリーを脳内補正してる。

3年くらい前だったか、やっぱ年末に、
そのころはやりの3DのCGアニメで「クリスマスキャロル」上映
していて、映画館に見に行った。
オープニングで、雪の降る中をカメラがまるで空を飛ぶ
サンタ視点のように、ぐーっと進むんだけど、その雪の舞う
立体感がものすごくって、3Dすげえ、って純粋に感動したもんだ。

そういえば、こちらの人たちはやたらと「科学信仰」している
って前にもちょろんと書いたけど、
その一連で、テレビ局の人で、やたらと
「3Dだ、3Dだ」と言う人がいる。
そのたびに、
「3Dは世界中で、何年か前にはやりました。でも今は流行遅れです。
かける労力に対して、見る人は何も得しないからです。
意味ないです。」
って言う。
だけど、あんまりしっくりこないみたいだ。不思議な顔をしている。
科学は魔法かなんかだと思ってる。

あとは何かにつけて、アッシュ・デー(HD)だっていう。
意味ないんだけどなー。
どうせハイビジョンで撮影しても、画質をがつーんと落とさなければ
重すぎてパソコン動かないんですから。

だから、カメラもちょっとだけいいやつを次に買うってのと、
パソコンもちょっとだけいいやつを買うってのが一緒に来ないと
物事進まない。

カメラをよくして、パソコンをよくして、
それを使う人を育てて、メンテナンスできるようにしないと。
そんな複合がそろって、ようやくちょっと番組の質が上がる
ってことになる。

だから俺はお題目として「番組制作の質の向上」っていう名目で
来てるんだけどね、そんなのムリ。
まもなく報告書も書かないといけないんだけど、
書けません。
ほんとに書かないよ。
まあ、書くけどね。

そんなわけでがんばって何かをしようとは、むしろ思わないんだけど、
科学信仰のこちらの人たちに
「機材がよくても、なんも役にも立たねえ」って
言い続けること一つだけでも悪いことでもないって気がする。
たぶんね。

おもちゃのパトカーでも、手足の可動しない人形でも、
もらった子どもは、うれしいでしょう。
たぶんね。

*初出:2013年12月21日(土)(カメルーン滞在173日目)

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