今日も、どったん、ばったん、バスで上下に揺られて移動している、イモ子ちゃんです!
でも大騒ぎにはなってませんw
なぜならエチオピアの人たちは、とっても物静かな人なんです。つつましいというか、ちょっとおとなしくてシャイでww、日本人と似た感じがありますね。
たとえば町を歩いていると、イモ子ちゃんみたいなアジア人珍しいと。見てきますよね、普通。ジロジロ見て「うほー」というか、さもなければ「チャイナ、チャイナ、ヒョンヒョン!」と言う。これが中東・アフリカ・中南米の典型的なところと思います。
ところが、エチオピアの人たちは
目を合わせてこない
というか、人がよそを向いているときにチラッと見て、こちらが視線を感じて振り向くと、目をそらして見てないふりをするんですね。先進国では割と普通の「儀礼的無関心」ってやつですが、その奥ゆかしくも控えめな感じが「似てるなあ」とか思います。欧米人に比べてグイグイ行かないことで、何かと損してるってところも含めてですけどねー。
困ったこともあります、特にバスの中。
やつらはね、
トイレに行かねーーんすよねww
元々おしっこが遠い人たちなんでしょうか!?だいたい2時間くらい走ったら止めてほしいわけですよね。だけど3時間くらい走っても一向に泊まる気配がない!
絶対がまんしてるでしょ、みんな!!
カメルーンの場合だと、誰かしら乗客が「こらー!止めろー。しょんべん出るぞー。」と叫んで休憩になるんで便利です。カメルーンの人たちはグイグイ行く人なんですけど、逆にそのことで何かと損してますけどねww
→ 途上国コラボで キャス生放送中です
「ツイキャス・小野イモ子 ぷー」
■■■エチオピア―ケニア 陸路・国境越え
首都のアディス・アベバから出て、国境の町まで来るのに3日半かかりました。途中までは、道が舗装されていて早いのですが、そこから山道になって時速20キロくらいしか!出なくなります。朝の一便で出れば、もうちょりんと早く行けるかもだけど、遅寝のイモ子ちゃんはゆっくり行ってます。
→ バス行程【アディス・アベバ → モヤレ編】はこちら
「エチオピア・ケニア国境 陸路バスの旅【エチオピア編(東回り)】」
■■■3日目に景色と人が急に変化した
山道のバス移動は、水たまりを避けて走ったりするので非常にゆっくりペースでした。通りがかる街道の小さな町を眺めていると、
どこも小さな町が人であふれ返っている
様子が見られました。どの町も、そのキャパシティに比べて人が増えすぎちゃていて、働くこともなくゴロゴロと特に若者が、道端に座り込んじゃっている。はっきり言って
むっちゃ、怖いですわ!!こんなん
首都のアディス・アベバも相当人が多すぎて、町に人があふれていました。都市とか産業とかが、人を十分に収容できていない様子でした。
→首都は物乞いであふれていました
「エチオピア・ケニア国境に向けて出発じゃこ」
エチオピア南部をバスで移動していますが、この傾向は小さな町に行ってもあまり変わりません。2日目のハワサ(Hawassa)は、町が中規模なのでマシでしたが、3日目のディッラ(Dilla)は、街道沿いに商店が並んでいますが、もうね
ゴロツキやら不良少年やらが徘徊してました。
こわいよー。さらに、そこから山間の町などは、さらに町が狭いうえに人がうじゃうじゃいます。こういう町は降りたくないなー。
山間部で、天気の悪い日も続いています。
しかし移動していくと、突然ガラッと雰囲気が変わったのです。
■■■同じ民族というつながり感
ある町でバスを乗り換えると、急に人の性格が陽気になりました。係の人たちは、今までとはちょっと違う挨拶をします。
握手をしながら「ナグーマ!」と言い、そして互いの右肩どうしをぶつけ合って「ファヨーマ!」って挨拶。おなじみラテン系のノリのやつです。
そんだけのもんですが、握手をすることからして、ちょっとシャイな(?)アディス・アベバ周辺人と比べて
人と人との距離が近い
これを何回も繰り返しやらされて覚えさせられるという。ラテンねー。
いろんな人が代わる代わるやってきて
「ナグーマ!」
「ナグーマ!」
なかなか覚えられないぞー、でも
「ナカーマ、ナカーマ」と言っているようでww
その語呂合わせで、なんとか覚えます。
ここはアグル・マリヤム(Agre Mariyam)という町。バスが進んでいくと、いつの間にか周囲は乾燥した、低木と草原の広がるサバンナのようになってきました。どこかで民族が変わったんでしょう。彼らはしきりに「俺たちはオロモ(族)だ」と言っています。
こういった一連の雰囲気から、この人たちは自分たちのことを中央とは違う「マイノリティ」だ、という感覚を持っているのではないか、という気がしました。たいがいマイノリティは「自分たちが同じ仲間である」ことを確かめる独自の挨拶をし、そのことに誇りを持っています。
また、外国からきたヨソモノに対して開放的な態度をとることも納得できます。それは、メジャーな民族に対してマイナーな人びとも、ガイジンも、共に社会における弱い立場の者であるという共通点があるからです。
エチオピアの民族構成については、調べていなかったので現地にいる現時点では、よくわかりません。しかし、彼らが言うには「エチオピアには70(とか80)の民族がいて」、その関係性には優位なものと劣位なものが、どうやらありそうだ、ということを感じました。少なくとも、
エチオピアはどうやら、一つではない
ことが分かったことでも突然に旅の発見があったように思いました。
「ジャパーンは、一体いくつのキラン(クラン?氏族?)がいるんだ?」と聞くので
うーんと、ヤマト、アイヌ、リューキュー、で3つかな。と答えます(リューキューは国であって民族かどうか?)。だけどやつらは、ただ聞いてみたってだけで、
特に興味もねぇー
みたいでした。しかしこの短いやりとりからも、彼らが「民族集団の別」を常に気にしていることがわかったのでした。またエチオピアが一つでないのと同じように、実は日本も一つでないということを忘れていたことに気づかされたのです。
ローカルバスはケニア国境に向けて、さらに進んで行きます。
以上、現場からイモ子ちゃんがお伝えしました。
→首都アディス・アベバで繰り広げられるバトル
「エチオピア・タクシー運転手の生存戦略」
*初出:2018年9月1日(土)