青年海外協力隊的あるある・1年7ヶ月 「借金で首吊る女はいない」

3月8日の日曜日は「国際女性の日」っていう。

カメルーンでも、女性の行進やら、なんやらイベントがたくさんある。アフリカに来てからも休みの日にますます休めないんだけど、もうそれはいいや。

「国際」っていうんで、当日は世界各地でもいろんなイベントがおこなわれるだろうけど、日本にはないですね。そういうことで、今週は関連イベントがいろいろとおこなわれてる。今週の水曜だったか、朝早めに局にいくと

ラジオ局の女性局長がジャージ姿でへたれ座ってる。はぁはぁと息を切らしてるんで、なんすかって聞いたら、朝の7時から体操して町を歩くっていう「健康イベント」があって、それをやってきたと。この「健康イベント」は何かにつけてしょっちゅうおこわれてるんだけど、今回は「女性のための」っていう枠組みでおこなわれた。

ご苦労さまです。そんで、この日の10時くらいからは、このラジオ局長女史が、自ら司会となって「女性対談」を生放送している。面白そうだから、スタジオに聞きにいったけど、やっぱ今回もおなじみの現地語(バムン語)で話してたので、なーんもわかんなかった。

卓のテクニシャンに「なに話してんの?」って聞く。

「ここは男性は重婚がオッケーだよね。」

-そうか。イスラームだから。4人までいいんだっけ。

「そうそう。そんで、本妻としての女性的に、男性が2番目3番目の妻と結婚した時の、女性の気持ちがどうかっていう話。」

なるほどー。深いね。

いや、別段深くもない。つうか、なんとなく落語の「悋気」の話を思い出した。そういうのって全国共通の話だ。

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たまたま、今週1本30分のドキュメンタリーを完プロした。

テーマは「虐げられる女性」

ってことで、ねらってもなかったけど、タイミングよく今日放送できた。これは隣の町に協力隊の女性の先輩がいて、「性犯罪などにあった女性のための社会復帰施設」のために働いてる、っていう活動を撮影させてもらったものだ。

撮影したのが去年の7月~9月だから、ずいぶんとほったらかしにして時間がかかっちゃった。内容としては、

  • カメルーンは発展してると言われているけど、
  • 人権とかソフトの面では遅れたままである。
  • 近代の考え方とは別に、伝統的な社会システムが残る。
  • その一つとして、女性がいまだに差別にあっている。
  • 日本から来た者としては、それは奇妙なことに見える。

っていう、まあ、社会派ドキュメンタリーのつもりで作った。できる範囲でだから拙いなあと思うけど。もろもろ権利をクリアにしてから、数週間後くらいにユーチューブにでもアップしようかと思ってますのでまたお知らせします。

(アフリカ時間の「数週間後」です。。。)

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国営放送のCRTVの夜の8時半からのニュースで、「女性と家族の地位向上省」大臣がスタジオゲストに来て、話をしてる。

そういう省庁があるんだ。

大臣は女性だった。あんま集中力なく見ていたので、ほとんどわかんなかったけど、なんとなく「トラディショナルな権威」への配慮がニュアンスとして感じられた。

勝手にイマジネすると、この国は、近代への強い方向性と同時に、トラディショナルな部族とか旧来の社会システムへの配慮がふだんからものすごく感じられる。たとえば、近代の枠組みとしては、「男女は平等なものである」という。

だけど、トラディショナルな枠組みとしては、

「女性は男性の下にあった方が、社会が回る」という。

どちらの顔も立てる。どちらの顔も立てないと、社会が回らない、

というニュアンスも感じる。

そういう馬の背みたいなバランス感覚の中で、国が運営されている。全ての分野において、そういう矛盾の中でぐるぐると議論が行われている。そういうのを見てると、

これも日本がたどってきた道なのか、とも思って、ある部分で親近感を感じる。人柄はだいぶ違うと思うけど、なんとなくカメルーンと日本って、似ている、って気がする。

まだ言葉にはできないけど、そういう社会システムの矛盾をどう曖昧にバランスとっていくか、みたいな。

元来、女性が太陽で、強い

なんてのは、体感覚上あたりまえのことであって、あんまりに女性が強すぎるんで、男性が女性の権利を制限する社会システムを作り上げた。

これは日本人としての僕の世界観だけど、カメルーンでも、まあ世界どこでもそうなんじゃないのかね。ちょっと前に、

ある人が「青年海外協力隊に参加してる人は日本の宝である。」

と言った。ありがとうございます。そんで、そのあと

「とりわけ女性(の身)で過酷な環境にある人は特にすごい。」

と言った。言っていただいて恐縮ですけど、同時に、「いやいや、当たり前だけど女性の方が強いから。」

と思って、この人の世界観と自分の世界観はずいぶん違うなって思ったけど。ちなみのちなみだけど、僕の大好きなフレーズに、作詞家の枯堂夏子さんの言葉で

「借金で首吊る女は、いない」

ってのがある。今から20年前くらいの言葉だけど、たまに思い出すたび、ああ、この人は僕らの見えてなかったものを見せてくれたんだなあ、って思う。

20年前の僕には、ずいぶん蒙が啓かれた思いがした。

1年8ヶ月 旅のゴールが見えてくる

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ドキュメント「青年の日」72時間 最終回

協力隊 町の女コジキに会って金をやる

*初出:2015年3月6日(金)

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