カメルーン西部州のテレビ局で活動しています。
カメルーンは非常にたくさんの部族に分かれているんだけど、ここも独立以前までは昔ながらのイスラーム王国が栄えた地域で「バムン王国」という。
そんで、実は今も王がいる。
王がいるんですよ!?カメルーンは共和国なのに。
バムン王が街を歩くときは、盛大な音楽とともに、住民たちが路上に出て一斉に歓声をあげるんで、とても人気があって慕われてるんだろうなってのが分かる。
もちろん今の行政システムには組み込まれていて、県知事とかは別にいるんだけど、王もまた、イスラームの長のスルタンとして、そしてその一族が企業の要職にあるとかして権力を保っているし、みんなから尊敬を受けている。
そんな二重権力構造があるってのが、ここの地域の特徴で面白いですね。
これって、たとえるなら、鹿児島県にいまも薩摩藩があるみたいなもんだ。
住民たちは、県知事が偉いのか島津斉彬公(王)が偉いのか、どっちだ。
って思うんだろうな。
先代の王の時までは、どっちが主導権をとるのかみたいな雰囲気だったんだけど、
今の王は国政の上院議員にもなっていて、ゆるやかに権力が融合しているみたいで興味深い。公武合体ですか。篤姫の世界だ。
わたくしの活動しているテレビ局は、この篤姫たる王のプリンセスがパトロンになっているんで、いわば王国テレビってことで。取材しててもどうしても王国目線になるんだけど、今日は面白いことがあった。
来週に国政選挙があるんで最近はポリティックな集会の取材をしていて、今日は上院議長と王が同席する集会があったので、どっちが偉いんだ?
って見るのが興味深々だった。
そしたら王の方が先にきて上院議長を立って迎えているのを
見て、ほおー、そうなんだ。って思った。
あれ、あんま面白くないですか?この話。
ごめん、うまく伝えられなかったわ。
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「カメルーンの生活・文化/とほカメラ」
*初出:2013年9月26日(木)(カメルーン滞在87日目)